吉井盛悟が単身ベルギーに渡り、世界14ヶ国から集まった13人のダンサーと5人のミュージシャンが出演する作品「Babel(バベル)」に出演します。

この作品は、現在、世界的にも注目されているベルギー出身の振付家/ダンサーのシディ・ラルビ・シェルカウィ氏とダミアン・ジャレ氏が演出、振付を手がけ、イギリスを代表する彫刻家アントニー・ゴームリー氏が舞台美術でコラボレーションを果たしています。

「Babel」リハーサル風景

Photo by Koen Broos.
Babel Rehearsal, featuring Shogo Yoshii, Jon Filip Fahlstrom, and Damien Fournier

吉井盛悟 Babel 2010年公演日程

演出・振付
シディ・ラルビ・シェルカウィ、ダミアン・ジャレ
舞台美術
アントニー・ゴームリー
出演アーティスト
出身国
ダンサー/オーストラリア、ベルギー、カナダ、フランス、日本、モロッコ、ノルウェイ、ポルトガル、南アフリカ、スウェーデン、イギリス、アメリカ
ミュージシャン/イタリア、インド、日本

4月27日(火)~30日(金)

ベルギー・ブリュッセル

Cirque Royal

開演
20:00
ウェブサイト
http://www.demunt.be

5月4日(火)、5日(水)

スイス・チューリッヒ

Gessnerallee

開演
20:00
ウェブサイト
http://www.gessnerallee.ch

5月8日(土)、9日(日)

スイス・ジュネーブ

BFM

開演
5月8日 20:30、9日 19:00
ウェブサイト
http://www.bfm.ch

5月11日(火)

スイス・ヌシャテル

Théâtre du Passage

開演
20:00
ウェブサイト
http://www.theatredupassage.ch

5月18日(火)、19日(水)

イギリス・ロンドン

Sadler's Wells

開演
19:30
ウェブサイト
http://www.sadlerswells.com

5月28日(金)~30日(日)

スペイン・マドリッド

Teatro de Madrid

開演
20:00
ウェブサイト
http://www.madrid.org/fo
備考
日程を訂正しました。

6月5日(土)、6日(日)

ドイツ・ルートヴィヒスブルク

Ludwigsburger Schlossfestspiele

開演
6月5日 20:00、6日 18:00
ウェブサイト
http://www.schlossfestspiele.de

6月8日(火)、9日(水)

ルクセンブルグ

Grand Théâtre de Luxembourg

開演
20:00
ウェブサイト
http://www.theatres.lu

7月1日(木)~3日(土)、 5日(月)~7日(水)

フランス・パリ

Théâtre de la Villette

開演
20:00
ウェブサイト
http://www.theatre-paris-villette.com

7月16日(金)、17日(土)

イタリア・ローマ

Villa Adriana

開演
未定
ウェブサイト
http://www.auditorium.com/villaadriana/

8月7日(土)、8日(日)

オランダ・デンボシュ

Festival Boulevard

開演
未定

9月11日(土)

ベルギー・トルンホウト

De Warande

開演
未定

9月17日(金)、18日(土)

オランダ・フローニンゲン

Stadsschouwburg Groningen

開演
未定

10月4日(月)、5日(火)

ベルギー・ヘント

Capitole Festival van Vlaanderen, Gent

開演
未定

10月8日(金)、9日(土)

フランス・メス

L'Arsenal

開演
未定

10月12日(火)、13日(水)

オランダ・アムステルダム

Stadsschouwburg Amsterdam

開演
未定

10月16日(土)

ベルギー・ヘンク

Cultureel Centrum Genk

開演
未定

10月21日(木)、22日(金)

フランス・ディジョン

L'Opera de Dijon

開演
未定

10月30日(土)

オーストリア・ザンクトペルテン

Festspelhaus St. Polten

開演
未定

11月5日(金)~7日(日)

フランス・リール

Opera de Lille

開演
未定

11月16日(火)、17日(水)

フランス・ルーアン

Opera de Rouen

開演
未定

12月3日(金)、4日(土)

フランス・ニース

Theatre National de Nice

開演
未定

12月9日(木)~11日(土)

ドイツ・ベルリン

Berliner Festspiele

開演
未定

12月16日(木)~19日(日)

ベルギー・アントワープ

De Singel

開演
未定

シディ・ラルビ・シェルカウィ Sidi Larbi Cherkaoui

Sidi Larbi Cherkaoui

ベルギー生まれ。1999年に振付家としてデビュー。2000年に振付けた『Rien de Rien』では、数々の賞を受賞。以降、世界の主要な劇場やフェスティバルの新作プロデュースを手がけて、次々と話題作を発表。『Rien de Rien』『Foi』『Tempus fugit』と平行して、長年の演出パートナーのダミアン・ジャレ、ファン・クルズ・ディアズ・デ・ガライオ、リュックと『D'avant』 を手がける。アクラム・カーンとのプロジェクト『zero degrees』は、日本でも上演され好評を集めた。世界で最も注目を集める若手振付家の一人。

ダミアン・ジャレ Damien Jalet

Damien Jalet

ベルギー生まれ。1998年にヴィム・ヴァンデケイビュスなどの作品にダンサーとして出演してデビュー。『Foi』『Tempus fugit』『Loin』『Myth』にて、シディ・ラルビ・シェルカウイとの共同作業、そしてダンサーを務める。また2002年にはベルリンのシャウビューネ劇場40周年記念制作作品『D'avant』に共同振付・ダンサーとして参加、世界的に高い評価を受ける。このほかオペラ・映像作品など多方面に渡り活動。

様々な壁を越えて

この作品タイトルの「バベル」というのは、旧約聖書「創世記」に登場する、あの「バベルの塔」のバベルのことです。かつて世界が一つの言葉を使っていた頃、天まで届く塔を建てようと企てた人間の奢りに対し、神が違う言葉を与えて互いの意思疎通を図れなくしたという神話、そして、言語の違いからくる混乱、そこにある「境界、壁」の由来です。

この作品の出演者、その国籍は十三ヶ国にも及びます。実際に稽古が始まって、僕自身その「壁」に悩まされました。第一はまさに言葉の壁でした。演出家が望む細かいニュアンスについていくのも精一杯でしたし、自分から提案したいことも巧く説明しきれません。それは僕だけではないようで、イタリア語、フラマン語、フランス語、インド語、トルコ語などいくつもの言語が飛び交い、お互いに気持ちを通わせようと努力していました。壁は言葉だけではなく、音階やリズムにもありました。トルコ音楽の音階を胡弓で弾くことには苦戦しました。まず、調弦をどうするかというところから「ちょっと待って、ちょっと待って」の連続でした。また、リズムも同じです。イタリアのパーカショニストが譜面を書いて、それに自国語の口唱歌をふるインドの方々。四分音符に対し「これはターなのか、ダァなのか。」と質問。楽器や音楽の構造が違うのでちょっとやそっとじゃ馴染みません。いざ、音を合わせてみると「これは音楽として面白くないんじゃないか?」と。根本的な感覚の違いすら見え隠れします。

近づこうと思い互いを知れば知る程、逆に自分との違いが見えてくる。その違いの壁をどのように崩すか…。これは神話が物語る世界観に対する挑戦のようです。しかし、時間を重ねていくうちに、その違い自体を楽しんでいる気持ちが生まれてきました。

「創世記」には、バベルの塔は奢りの象徴として描かれているそうですが、今、14ヶ国に散らばった文化を背負い集まった仲間と築こうとする塔は、思いやりに溢れています。それは「高い塔」ではなく、広がりがあり、膨らみがある「球」のようです。

吉井盛悟

鼓童