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Tag ‘鼓童文化財団研修所’

33期研修生、2年次スタート/千田倫子


Photo: Michiko Chida

鼓童研修生は1月末をもって1年次を修了し、2月からが2年生としてのスタートとなります。何かと頼りになっていた先輩が巣立っていき、進級した男性7名、女性1名のみの生活。今までの人数が半分に減った中で、工夫し協力し合い、いかに気持ちよく生活を進められるかが大きな課題です。それ無くして、稽古への集中、33期としての全体のレベルアップはあり得ないのです。

その上、この時期に容赦なく訪れる強力寒波。
新2年生は佐渡で初めての冬なので、どこまで寒くなるのか不安でならなかったようです。
明日の最低気温がマイナス4℃の予報のある晩、心細そうに質問してくる一人の研修生。
「まだもっと寒くなりますか?」
「いやいや、これが寒さの底、これ以上は寒くならないから一番あったかい格好していいんだからね!大丈夫、生きていけてるよ。」

2月の踊りの稽古日は、偶然、そんな寒さの底のような気候でした。

Photo: Michiko Chida

青森県の津軽手踊り「小原節」の稽古

津軽手踊りの「小原節」を教える小島千絵子は、外の雪景色を見やると、「おおー、津軽らしくなってきたぞ~」と元気です。

Photo: Michiko Chida

岩手県北上市の「岩崎鬼剣舞」の稽古

鬼剣舞を教える、研修所所長の石原泰彦は、「地元ではこの時期に外で踊るんやぞ」と。

身も心も、去年の自分より格段に逞しくなっているはず…。新1年生が入って来る4月までに、一回りも二回りも成長したいものです。


32期研修生修了式/千田倫子


1月17日(土) 32期研修生 修了式

鼓童文化財団研修所の2年生、32期の8名が、1年10ヶ月に渡る研修を終え、この日修了式が執り行われました。

Photo: Takuto Susaki

12名で入所した期ですが、1年目で同期の5名との別れがあり、7人で過ごした昨年の冬。6月には、故障のために留年しつつも頑張って復帰した1期上の者が編入し、様々な個性が感応しあい切磋琢磨して、過ごしてきました。

最後のこの日は、ここに来なければ出会えなかった様々に感謝しつつ、気持ちが一つになった清々しい修了演奏を披露して、自らの研修生活を締めくくりました。

この先の進路は分かれましたが、研修所という環境で得たものがそれぞれの人生の土台、自信、そして宝物になると信じています。

2年間にわたり、この若者達を愛し、応援してくださった皆々様、本当に有り難うございました。


鼓童研修生の秋 〜夢の舞台に立つために/見留知弘


みなさまこんにちは。太鼓芸能集団鼓童代表の見留知弘です。

10月に入り、涼しさから寒さに移りゆく季節となってきました。

「鼓童ワン・アース・ツアー〜神秘」と、「交流学校公演」ツアーは、ただ今国内を巡っており、みなさまの中には既にご覧頂けた方も、これからという方もいらっしゃるかと思います。私はと申しますと、10月2日から宿根木公会堂で開催されます「鼓童佐渡特別公演2014・秋」に出演いたします。こちらへのご来場もお待ちしております。

さて今月は、鼓童文化財団研修所の鼓童メンバー養成コースで学ぶ研修生の様子をお話しさせて頂きたいと思います。

Photo: Taro Nishita

鼓童の舞台メンバーになるためには、鼓童文化財団研修所で2年間の研修を修了し(2年次進級のための選考もあります)、選考を経なければなりません。選考された研修生は「準メンバー」となり、約一年間、公演や様々な現場での経験を積み、再度選考を経て、正式なメンバーとして採用されます。

研修所では、夏季は5時、冬季は5時30分に起床し、掃除、体操、トレーニング。食事の後は、楽器準備やウォームアップをして午前稽古。昼食を挟んで午後の稽古、夕飯後は各自あるいは揃っての稽古を行ない、夏季は10時まで、冬季は10時30分までに就寝するというのが、普段のスケジュールです。時には、約40キロ程離れた鼓童村での稽古や作業などがあり、その時は食事時間を節約するためにお弁当を準備して移動したりしています。

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また研修所では、一つの目標に向かって集中する時期に携帯電話等の電子機器の必要はないと考えています。人と人とのコミュニケーションであったり、伝えるという根本的な事をメール、インターネットに頼らずに行うという点では、舞台にも通ずる所があり、それ故に研修所への電子機器の持ち込みは制限されています。研修所では休みの日以外は、本当に時間に追われるような感じで一日が終わってしまいますので、携帯電話やパソコンを手放せない生活にいた人も、次第にそれがなくても問題がなく過ごせるようになります。

研修所

4月に入所した1年生は現在、半年が経過したところで、生活にも慣れ、研修生らしくなってきました。彼らは現在、鼓童の代表演目である「屋台囃子」や「三宅」を、曲の形として完成させながら、基本稽古を同時にし、体力と技術と精神力を鍛えている途中です。

研修所

基本稽古は繰り返しで、彼らには面白くないかもしれませんが、自分の土台を作るための大事な稽古と時間です。技術というのは、その土台がしっかりしていなければ、その上に乗せたとしても、脆く崩れ去ってしまいます。

例えば「屋台囃子」では長い時間を打ち続ける稽古をするのですが、打ち続ける体力がなければ、曲を通す時には最後まで叩ききれず、リズムがズレたり音が弱くなったり、曲の完成度が大変低くなってしまいます。

Photo: Erika Ueda

彼らにとっては今、体力を付ける稽古が重要で、曲を覚える事と基本稽古を反復しながら体を強くしています。しっかり稽古を重ねれば、技術は後からついてくるのです。

一方、2年生は体力的にしっかりしてきているので、今度は技術を伸ばし、一人一人の頑張りだけではなく、アンサンブルとして一つの大きな力を発揮するための稽古を行います。強弱や抑揚、ニュアンスなども時間をかけて細かく指導、一人一人に技術が身に付いて初めて、良いアンサンブルが生まれるのです。

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2年生に残された研修期間は、あと3ヶ月しかありません。
12月の最終発表会に向けて、稽古に集中して仕上げたい所ですが、秋には色々なイベント、お米や柿の収穫作業等もあり、一日一日が今まで以上に大切になります。目標である舞台メンバーを目指すためにも、悔いが残らないよう、一丸となって頑張ってほしいところです。

また、1年生も同じ時期に2年生に進級するための選考がありますので、これからの3ヶ月間は同じような緊張感を持って過ごすことになります。

月並な言葉でありますが、「心・技・体」を鍛える事はそう簡単ではありません。研修所に入った頃を振り返って初心に戻り、自分が舞台に立つ姿を想像して、頑張って欲しいと思います。

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鼓童文化財団研修所について

鼓童文化財団研修生・実習生募集
一次募集:2014年10月1日(水)~11月18日(火)必着


研修生発表会:琉球舞踊「群星」/千田倫子


8月1日 研修生発表会:琉球舞踊「群星」

Photo: Erika Ueda

研修生が2年次の暑い夏の一ヶ月をかけて学ぶ、琉球舞踊の「群星(むりぶし)」。今日は、舞台メンバーもスタッフも勢揃いした中でのその成果発表です。

佐渡在住の琉球舞踊家・太圭流華の会師範の金城光枝先生からの歴代研修生へのご指導は、数えてみれば20年になります。独特な沖縄の伝統舞踊を通して、ものごとを習う基本精神を身につけるという、その教えは、昔も今も変わりません。

「あなた方が目指している新しい創造も、まず何かを取り入れたり身体の中に吸収してから生まれます。根付いて、息づいているものから生まれるのであって、それは見せようとか、飾って創るものではありません」

研修生と共に、いや研修生以上に身体と声を使って、身体の芯から作り上げていく大切さを熱く熱く伝えてくださいます。

Photo: Erika Ueda

見ていた舞台メンバーも、研修所出身のスタッフも、研修生時代の身体と頭を駆使して必死でくらいついていった稽古を思い出していたことでしょう。

Photo: Erika Ueda

さて、今日の出来映えは?

「皆の気持ちが揃って、一つになれていたね。良く頑張ったわね。」

厳しい稽古の果ての、温かい先生の言葉が研修生の胸に響きます。一人よがりに陥らず、しっかりとした一人ひとりが、皆で気持ちを合わせることで大きな力を生み出す。研修生自身、「群星」という曲名の意味が理解できた今日の発表会だったかもしれません。


月刊「鼓童」の発送作業/千田倫子


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機関誌・月刊「鼓童」6月号が、みなさまのお手元に無事にお届けできた頃でしょうか。毎月10日、鼓童村の食堂では機関誌発送作業が行われています。この作業は、研修生1年生の研修科目であり、今年からは地域づくりコースの実習生2名も加わりました。スタッフが事前に準備した宛名の書かれた封筒に、機関誌・地域ごとに様々なチラシ類を入れ、封をする。地域でまとめて総数のチェック。重いラックを玄関まで運んで、配送屋さんに託します。

Photo: Michiko Chida

今月のメインのセットはこちらの3点。
表紙は、鼓童交流学校公演で太鼓体験指導をしている中込健太。
そしてアース・セレブレーション2014のプログラムと、城山コンサートのゲストをご紹介した号外です。


Photo: Michiko Chida

「誰ですか、手より口が動いてるの。ついつい記事読んで、手が止まっているそこの君。素早く丁寧に! この1冊を、応援してくださる相手の方が手にされるんだよ。だからって、そんなゆっくりじゃ終わらないでしょ。キヨ子さんや直美さんや佐智子さんの熟練の技を観察してみなさい。」

封筒の束をもらいに行く研修生の「僕、九州いきます」「関西やります」の声。安心感というか、地元とほんの少し繋がっているちょっと嬉しい気持ちが分かります。研修所に来て2ヶ月。自分の地元にどんな思いを馳せる頃でしょう。「素早く丁寧にはかどったら、手を休めて宛名や住所を見てもいいよ。」

これからも毎月10日、33期研修生と地域づくりコース1期生、しっかり務めてまいります。

鼓童の会について
アーカイブ 月刊「鼓童」

<お詫び>
今回のアース・セレブレーションのプログラムに訂正箇所が出てしまいました。申し訳ございません。訂正の小さな紙を挟み込ませていただきましたので、何卒、ご確認くださいますようお願い申し上げます。

 


番組出演のお知らせ/BSフジ「夢の食卓」


BSフジ「夢の食卓」で鼓童文化財団研修所が特集されます。研修生の生活に密着し、日々の食事風景や「鬼太鼓」を通した地域との交流が紹介されます。

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※写真はイメージです。

BSフジ「夢の食卓」 第162回「鼓童 心を打つ食卓」

放送日時
2014年5月17日(土)22:30~23:00
再放送:2014年5月24日(土)9:30~10:00
番組サイト
「夢の食卓」http://www.bsfuji.tv/table/

※時間帯、日程などは予告なく変更になる場合があります。どうぞご了承ください。

新しい年度の始まりにあたって/見留知弘


鼓童のウェブサイト並びにブログをご覧の皆様、日頃から鼓童を応援くださいまして、誠にありがとうございます。太鼓芸能集団鼓童代表の見留知弘です。

この度、鼓童の近況をお知らせできるように、月の初めにこのブログに、メッセージを書かせて頂くことになりました。今月は新しい研修生と準メンバーを迎えて感じたことをお話しします。

近年、私は佐渡で研修生の指導に精力的に取り組んでいますが、先月6日には、鼓童文化財団研修所での入所式に出席しました。

Photo: Taro Nishita

鼓童のメンバーを目指す人のための「メンバー養成コース」の研修期間は現在2年間で、カリキュラムもより多様となり、芸能はもちろん、農作業や礼儀作法等を学び、総合的な舞台人養成を目指すものとなっています。私が研修生だった頃の研修期間は1年間で、ひたすら体力作りと太鼓の稽古に打ち込む日々だったことを思うと、長い時間の経過を感じます。

しかしながら研修生の、鼓童の舞台に立ちたい、メンバーになりたいと言う志は、昔も今も変わりありません。入所式での初顔合わせの目の輝きは、私自身にも毎年初心を思い起こさせ、新しい年度の始まりを感じさせてくれます。

 

Photo: Taro Nishitaさて、研修生になる前と、研修所に入所してからとでは、生活スタイルが真逆になった人がかなり多いと聞きます。研修所で1年間を過ごして先輩となった2年生が、新入生にかけた「ようこそ!非現実の世界へ!!」という歓迎の言葉が強く心に残りました。

私が新人の頃、ツアー制作スタッフから、鼓童の舞台には現実と非現実があり、お客様に非現実を見せることが夢や感動を与えることに繋がると聞きました。その舞台に立つために、現実と非現実を行き来する研修所の2年間の生活の中で、色々な事を学び、経験を積んで、舞台人として成長できることを期待しています。


そしてそんな2年間の研修所生活を経て、晴れて準メンバーとなった5人の若者は、今、先輩メンバーに混じって、その鼓童の舞台に立つために、必死に食らいつくように頑張っています。

舞台に上がればベテランも新人も関係なく、表現者として同等です。技術も経験も浅い一方で、若さという武器を持っています。彼らなりの新しい感性を持って、演奏者そして表現者として、お客様の心に残る舞台を務められるように頑張ってほしいと思います。

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柿野浦の祭り/見留知弘


Photo: Tomohiro Mitome

4月15日、佐渡島内各所で祭りが行われました。鼓童文化財団研修所がある柿野浦地区では、今年も研修生が地元の方々に受け入れて頂き、祭り稽古を重ねてきました。

成果が認められると、衣装をまとい鬼を打つという大役を頂ける、ハレの1日です。

Photo: Tomohiro Mitome

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研修生33期始動!/千田倫子


研修所33期生、4月6日の入所式から1週間経ちました。まだまだ馴れぬ生活に緊張感たっぷりではありましょうが、12名、皆元気でやっております。ということで、この1週間の初めてづくしを写真でご紹介します。

Photo: Michiko Chida

小島千絵子の踊りの稽古

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鼓童文化財団研修所 入所式


Photo: Taro Nishita

4月6日、2014年度の鼓童文化財団研修所と深浦学舎(地域づくりコース)の合同入所式でした。

本年度より「鼓童文化財団研修所」は形を変え、「鼓童の舞台メンバー」を養成するコースと、佐渡への定住を希望する人や、全国各地の地域振興などに関わる「地域づくり」のための人材を育成する2つのコースとなっています。


Photo: Taro Nishita

既に研修日程をスタートさせていた地域づくりコースの2名と、今日のバスで到着した鼓童の舞台を目指す12名とが初めてここに会し、心に抱いたそれぞれの夢の実現を新たな気持ちで誓うひとときでした。


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