北米「Evolution 」ツアー千秋楽/石塚充

Photo: Yui Kamiya

2カ月にわたる「螺旋」北米ツアーが、オンタリオ州オタワにて無事に千秋楽を迎えました。

Photo: Takashi Okamoto

2年ぶりの北米のお客様は、どの街でもとても熱く明るく、暖かく私たちを迎えてくださいました。

関わってくださった皆様、いつも応援してくださる皆様、本当にありがとうございます。

Photo: Takashi Okamoto「螺旋」は英語のタイトルでは「Evolution」と表記され、その名の通り、鼓童が過去から現在、そして未来へ、いつまでも進化を続けていってほしいという願いを込めて玉三郎さんがつくってくださった作品です。

Photo: Takashi Okamoto

再演を重ねるたびに、若いメンバーたちの成長は本当に目ざましく頼もしく、とくに今回の北米ツアーでは、この作品をしっかりと「鼓童の作品」にすることができたという手応えがありました。

Photo: Takashi Okamoto

素晴らしい作品に出会えること、常に新しい作品に挑戦できる環境があること、良き先輩方や切磋琢磨しあえるメンバーがいること、支えてくれる方々、応援してくださる方々がいること、どれだけ感謝しても足りないですが、その気持ちを忘れずに。

年の初めのツアーは幸先の良いスタートとなりました。

この春からは日本国内での活動がメインになります。

今年も鼓童をよろしくお願い致します。

「鼓童ワン・アース・ツアー2019〜Evolution」北米ツアー(Kodo One Earth Tour 2019 Evolution)


8年ぶりの北米/中込健太

長いツアーも、カナダに入り
「Evolution」の公演も残すところあとわずかとなった。

Photo: Leo Ryotaro

8年ぶりの北米ツアーは、
新鮮さと、当時の自分に、出会うような不思議な、面白い感覚だ。

8年前の北米ツアーで大太鼓を、舞台で叩きはじめ、大太鼓との旅が始まった。
毎日必死だった。

2011年北米ツアーの写真

自分が後にこの、「Evolution」のような作品や、近年の挑戦的な新作の舞台で演奏する様になるなどと、全く想像していなかった。

8年、
大きな変化の時間を過ごしてきた。

未来への自分の想像、思惑、欲望、展望、など全く及ばない場所に今、たどり着いた。

Photo: Takashi Okamoto

そんなものより、

8年間分の、旅した土地で見た風景と、新しい作品づくりの日々、稽古、

実験と試行錯誤の時間、失敗と、発見の興奮。

出会った人達、家族、言葉が、自分を変質、成長させてきた。

Photo: Takashi Okamoto

いつも、自分の思いや固定概念を、

思い切って手放し、突き放し、晒された時に、

思いもよらぬ気づきや発見がある。

Photo: Takashi Okamoto

Photo: Takashi Okamoto

どんどん捨てて、

一打の音とともに、消えてしまえ自分。

かそけき弱打の響きに導かれろ。

太鼓の前で、

無音の中に現れる何かを待っている。

Photo: Takashi Okamoto

中込健太

 

鼓童・北米ツアーメンバーは今ここ!
カナダ、ケベック州 モントリオール

2019.03.23(土) カナダ、ケベック州 モントリオール Place des Arts

「鼓童ワン・アース・ツアー2019〜Evolution」北米ツアー(Kodo One Earth Tour 2019 Evolution)


顔/詫間俊

僕は今回のツアーで、人生初の海外に来ております。
ヨーロッパの空気、人、街並み、食べ物全てが新鮮で、ワクワクとドキドキを感じると同時に時々日本が恋しくなったりしています。

 

ヨーロッパのお客さんの反応は国によって様々です。感情がそのまま表に出る国もあれば少しシャイな国もあります。場所によっての反応の違い、それがツアーを回る中での一つの楽しみでもあります。不思議な事にその反応の違いで「Legacy」という作品が毎回違う顔を見せる気がします。会場の空気感と舞台上の僕達の気持ちが合わさった物がその日の「Legacy」という作品なのだと思います。

これからの国で「legacy」がどんな表情になっていくのか楽しみながらツアーを回っていきます!

 

 

 

今日の劇場はこちら (2020年2月4日)

鼓童ワン・アース・ツアー2020「Legacy」ヨーロッパツアー

対流/前田順康

雪のない佐渡の1月を過ごし、冬に油断したままヨーロッパに到着しました。
言うまでもないのですが、寒さに容赦のないヨーロッパ。
布団のような上着を着ていても、耳や指が、外気と触れていると、取れてしまいそうです。

それでも、室内は暖かく、特に、エアコンがかかるホテルの部屋は暑いくらいで、乾燥も助けて、手洗いした衣装があっという間に乾いてしまいます。

冬の暖かい部屋の扉を開けると冷たい空気が勢いよく入り込んできて、空気が混ざっていきます。
劇場でも、空気の対流に似たことが起こるのを感じます。

 

客席には今まさにその国の日常を過ごしている人が座っていて、
幕を隔て、ステージの上には、日本の職人さんが作った太鼓が並び、ふんどしとハチマキを締めた日本人が立っています。

そのふたつの空気、幕が上がると同時に“対流“が起こります。
劇場の空気がかき混ざり始め、終演の頃にはその国のものでも、鼓童のものでもない空気が練り上がっています。

 

僕はこの舞台で起きる“対流“にいつもゾクッとします。国内でもそうです。
昼公演だと、夜公演だと、雨の日だと、、、
同じ空間の中で、その瞬間に生まれてくる音を、鮮度そのままにお互い味わって。
写真や映像では捉えきれない、その場にいる人だけが感じられる空気が生まれて。

 

今日、Youtubeで、Netflixで、Spotifyでありとあらゆることを享受できます。
そんな時代でも、鼓童はめちゃくちゃに大きな太鼓を運び、屋台を組み、その日の為のバミリをし、その日の為のチューニングをして、汗まみれで太鼓を打ちます。

食事が食卓の空気によって美味しくなるように、ステージの上、緞帳の裏にどんな空気を作って待っているかが大事だと思っています。

 

鼓童にとって52カ国目となる、リトアニアの公演を終えました。
40年近く、52の国と交換してきた空気を持って旅は続いています。

 

 

今日の劇場はこちら (2020年2月4日)

鼓童ワン・アース・ツアー2020「Legacy」ヨーロッパツアー

2年越しのリベンジ/木村佑太

2月1日にモスクワにて初日を終え、本格的にヨーロッパツアーがスタートしました!
2年ぶりに再開する人や風景、食事などを楽しみながら行きたいと思います。

前回のヨーロッパツアーについていた頃はまだ僕は準メンバーでした。その時はここでは書けないような失敗をしたりして沢山の迷惑をかけてしまっていました。怒られては凹んで、また怒られてetc. 必死に食らいついていた日々は今では良い思い出ですがあまり思い出したくないですね。笑

 

タイトルにもあるようにこのヨーロッパツアーは僕にとってはリベンジの場だとも思っています。2年前の苦しかった時期を忘れた事は一度もありません。
だからこそ「この2年間、遊んでた訳じゃないんだぞ」と。苦い経験はその土地で!!! 結局忘れられはしないと思うのですが・・・

 

海外は良いですよ〜。拙い英語で会話して伝わった時とか些細なことで楽しめます。
こんなに海外に来るのであれば、英語の授業をもっと真面目にやっておけば良かったと後悔しているきむくんでした。

 

 

 

 

 

今日の劇場はこちら (2020年2月4日)

鼓童ワン・アース・ツアー2020「Legacy」ヨーロッパツアー