北米「螺旋」ツアー出発!/内田依利

Photo: Eri Uchida

出発前日から急に真冬の景色となった佐渡を脱出し、カラッと澄み渡る青空の東京へ。

いよいよ私にとっては1年ぶりの長いツアー、そして最後のツアーに出発します。

「螺旋Evolution 」は2年前の35周年サントリーホールでの初演を皮切りに、国内、ヨーロッパとツアーをしてきて3度目の再演です。

その中で毎回少しずつメンバーも変わり、その度に1つ1つの曲の理解や解釈を話し合い、試行錯誤して深めてきました。

Photo: Koji Miyagi

今回も稽古に入ってから、メンバーそれぞれ巡、交流公演、道、研修所など、それぞれの場所で一年培ってきた音をだしていました。

同じ曲で作品だからこそ、新たな発見があり、深みが増していくとはこういうことなのかもと思わされました。

初演の時はあまり意識していませんでしたが、「螺旋」とは、鼓童のあり方のような気も勝手にしています。

基本を大切に初心に戻りながら、新たなことに挑戦し、また同じだと思うところに戻ってきたと思ったら螺旋状に一段上の階にいるような。

この一年研修所に行っていて、みんなと久しぶりに音を出すからこそ、自分にはそれをはっきり感じられたような気がしました。

この二ヶ月のツアー、またどんな出会いがあるのか楽しみです。

初日はラスベガスから!

毎公演新鮮な気持ちで、その場所でベストの音を届けてまいります。

See you soon!

Photo: Eri Uchida

「鼓童ワン・アース・ツアー2019〜Evolution」北米ツアー(Kodo One Earth Tour 2019 Evolution)

10月のモスクワ。黄金の秋/小松崎正吾

これまでモスクワには何度か訪れていますが、毎回寒さの厳しい3月下旬。毎日曇り空で寒すぎて、出歩くのも一苦労。重く冷たくどんよりとした印象でした。

しかし10月のモスクワは3月とは打って変わって、気持ちの良い秋晴れと秋風で我々を迎えてくれました。
Photo: Shogo Komatsuzaki

今回は日本大使館、クレムリン大宮殿内のホールでの演奏、

そしてモスクワ音楽院の生徒さんやモスクワの太鼓チームの皆さんに向けた約2時間ワークショップと懇親会を行ってきました。

関係者の皆さんの素晴らしいサポート、3月には感じる事の出来なかったモスクワの美しい街並み、ワークショップに参加してくれた皆さんの笑顔と真剣な眼差しから、音楽や芸術に対する熱い想いを感じました。

何から何まで大変充実した一週間となり、また来たい、また皆に会いたいと、帰る頃にはモスクワがとても好きになっておりました。

お世話になった皆様本当にありがとうございました。

この御縁が末永く続きますように。

第36期研修生修了式/内田依利

Photo: Takuro Susaki

佐渡の冬にしては大変珍しい澄み渡る青空の中、第36期研修生の修了式が行われました。たたこう館に正装したメンバー、スタッフ、講師の方が集まり、2年間頑張った彼らの姿を見届けます。

Photo: Takuro SusakiPhoto: Tomohiro Yonetani彼らが入ってきた時、私も研修所に関わり始めた時でした。

最初の4月はまだまだ学生気分。稽古時間に遅れてきたり、敬語もままならず、自分の思っていることを言葉にもできず。稽古をする真剣な空気感になることすら、なかなかできませんでした。

何年も経験のある研修所所長や、講師陣は最初はこんなものと落ち着いたものでしたが、初めて関わる私は、この子たちがあの「鼓童研修生」になっていくの? と1人焦ったりしていました。

しかし一週間会わないだけで、顔つきも身体つきもみるみる変わっていきます。

1日にこんなに詰め込めるものなんだ!というくらい朝5時から夜10時まで、毎日ビッシリ詰まったカリキュラム。研修所所長や講師陣、地域の方、鼓童外からお呼びする一流の先生方など、常に研修生を温かく、厳しく見守る目。

そしてそこには、研修生本人たちが本気で、成長したい!メンバーになるんだ!という意思があって初めて、驚異のスピードで変化を遂げていくのです。

Photo: Takuro Susaki

そんな2年を終えた彼らが、顔つきも身体つきも全く違って、鼓童メンバー、スタッフの前に堂々と立ち、この二年間の思いを、1人1人自分の言葉でしっかりと伝えていきます。

Photo: Tomohiro Yonetani

「何が伝えたいんや」

研修所所長の石原が2年間、常に研修生に問いかける言葉です。

その一言に、自分にとって太鼓とは?なぜ鼓童なのか?を嫌という程悩み抜きます。

最後の修了演奏では、その思いが色や形で見えそうなくらい、しっかりと1つになり、温かいエネルギーが会場全部を包んでいました。

Photo: Tomohiro Yonetani

太鼓は気持ちがそのまま出る。とはよく言いますが、その気持ちに「嘘がない」ことがどれだけ重要か。

Photo: Takuro Susaki

心の底から湧き上がった感情が、太鼓の響きにのり、空気を震わせ、人の身体に心に届く。

この2年間の大変な研修生活というプロセスが、あの音を彼らに出させ、不覚にも私も涙腺に響いてしまいました。

Photo: Takuro Susaki

この先どんな道に進んでも、自分が2年間関わって彼らに心から伝えたいのは、

みんな才能に溢れているということ。

Photo: Takuro Susaki

その素晴らしい価値は変わらないということ。

Photo: Takuro Susaki

2年間で目覚しく成長したということ。

Photo: Tomohiro Yonetani

そしてこれからも自分で成長していけるということ。

Photo: Tomohiro Yonetani Photo: Tomohiro Yonetani

現代たくさんの選択肢がある中、わざわざ大変な道を選んでくれてありがとう。

その苦しい思いの分、それ以上に身についたもの一生ものがたくさんあります。それを持って、これからの人生、自信を持って歩んでください。

Photo: Tomohiro Yonetani

修了おめでとうございます。
そして本当にありがとう。

Photo: Tomohiro YonetaniPhoto: Tomohiro Yonetani

 

鼓童文化財団研修所
https://www.kodo.or.jp/apr

「道」を経て/小野田太陽

Photo: Erika Ueda

「道」ツアーも本日の小平公演で終わりです。

とても勉強になるツアーでした。

Photo: Takashi Okamoto

僕は「HITOTSU」のソーナを担当させていただきました。まさか鼓童でリード楽器を吹くとは思ってもみなかったです。

Photo: Erika Ueda

そして、半纏だけではなく、特別な衣装を纏わせていただいて本当に貴重な体験でした。

最若手の僕は色々な所でミスして、怒られてを繰り返しました。結局は研修所で培った生活面がルーツにあるんだとわかりました。

研修生活ではしっかりしている「つもり」だったのではないのか? もっともっと直す所あるぞ!と先輩に言われたり、自分に言い聞かせたり、、、

Photo: Erika Ueda

ただ、怒ってもらってるという事はそれだけ期待されている事だと思い、応えようとしています。上手くいかなくて、もどかしい思いをする時もあれば、変われる事ができて弾みになる時もありました。

Photo: Takashi Okamoto

「このツアーで経験した事全てが、これからの肥やしになる。」

その言葉を胸にもっともっと柔軟に、オープンマインドに考えられるように、準団員としての公演を全力でやりきります。

Photo: Takashi Okamoto次に出演する「幽玄」や「Evolution」は全く雰囲気の違う物ですが、根本的なフィーリングは通じていると信じて進んでいきます!!

 

本日、「道」小平にて大千穐楽!

Photo: Takashi Okamoto

出演(7-8月)

山口幹文齊藤栄一見留知弘中込健太蓑輪真弥小松崎正吾前田順康吉田航大三枝晴太平田裕貴渡辺ちひろ小野田太陽詫間俊

北京大学訪日研修/宮﨑正美

 

国際交流基金からのご紹介で、「北京大学現代日本研究センター訪日研修団」の方々がたたこう館にいらっしゃいました。

北京大学現代日本研究センター博士課程 第14期生20名のみなさんです。

 

 

せっかくの機会ということで、鼓童研修生2年生も交流をさせていただきました。

研修生も各自、自分の名前だけは中国語で覚えて言えるように、来館直前まで練習して臨みました。

 

いよいよたたこう館へ来館。

皆さんにこやかで、こちらのたどたどしい「ニーメンハオ!」という挨拶に笑顔で答えてくださいました。

研修生の自己紹介では、名前を漢字で書いた紙を手に、中国語で自分の名前を言うと、ひとりひとりに大きな歓声と拍手。

発音に苦戦していた研修生もホッとした表情。

 

 

北京大学の学生と鼓童研修生で輪を作り、みんなで叩く最初の一発はとても勢いのある音でした。

ワクワクしている様子がうかがえます。

太鼓を叩いた後の響きを聴くように伝え、もう一度叩くと、とても集中して耳を澄ませています。

その後も、終始楽しく太鼓体験を行いました。

 

 


やまいもくん、ぶたばなちゃんにも触れてもらい、太鼓体験の最後は、研修生による屋台囃子。スタンディングオベーションで、みな大興奮に終わりました。

 

 

その後、続けて鼓童文化財団専務理事菅野より鼓童の歴史について、財団の取り組みについて、など講義の時間を設けました。

終了後、質疑応答では、時間いっぱいまで、積極的に手があがり、日本の文化や太鼓の歴史について、とても貪欲に質問されていました。

 

お礼に、と北京大学のグッズをいただきました。

品格ある木製のしおりでした。

 

謝謝!

 

 

太鼓でお見送りのあと、研修生みんなの大きな声「再見!」…届きましたでしょうか。

 

7月には「鼓童ワン・アース・ツアー2019~螺旋 中国ツアー」があります。

ワン・アース・ツアーとしては19年ぶりの中国本土へ。

北京での鼓童公演にもぜひ、足を運んでくださいますように。

 

 

2019年7月鼓童ワン・アース・ツアー2019〜螺旋(中国)