ヨーロッパ太鼓WSツアー/船橋裕一郎

皆様、いかがお過ごしでしょうか? 私はこの3週間ほど欧州螺旋ツアー班に帯同し、現地で太鼓のワークショップをしてまいりました。

Photo: Mio Teycheney-Takashiro

▲マンチェスターでのWSの様子

ツアーと並行しながら公演地ごとに行うワークショップ(WS)は、これまでなかなか実現に至りませんでしたが、現地での太鼓を通した、ひと時の交流は、我々の活動や理念をより深く知っていただける機会にもなり、大変ありがたい場となりました。

今後もツアーと並行したこのような機会を充実していけたらと思っております。

Photo: Mio Teycheney-Takashiro

▲ゲーツヘッドでのWSの様子

イギリスでは、ブライトン、マンチェスター、バーミンガム、ゲーツヘッドの4回、初めて太鼓を叩くという方ばかりという日もあれば、元気な男子中学生のみという日、現地の太鼓グループと初めての方が混合という日もあり、状況に応じた進め方をしながらその日、その時の音を楽しんでまいりました。

オーストリアではウィーン太鼓の皆様に招いて頂き、ハンガリーから参加された方々も加えた、計10名の方々との交流でした。太鼓が大好きという思いと真摯な姿勢で太鼓に向かう姿に、こちらも学ぶことが多い時間でした。

Photo: Mio Teycheney-Takashiro

デンマークのコペンハーゲンでは、いつも当地でお世話になる、(今回は公演のご主催でもあります。)ピーターさんの率いる「生動太鼓」の若いメンバーに向けたWSでした(写真上)。当たり前ですが、会うたびに皆、大人になっていきます…1時間半ノンストップでも終始、元気な彼らの吸収力には驚くばかりでした。

体験された方々は、その日のコンサートにもご来場くださり、終演後はロビーにて気さくに声をかけて頂き、本当に嬉しそうに、公演の感想を伝えてくれました。

間も無く私は帰国の途につきますが、日本の太鼓に対する興味や真摯な姿勢、そしてその土地ならではの太鼓の表現を直接感じる貴重な時間でした。ひと時でも音の一体感を共有した現地のみなさまとの再会を心から楽しみにしています。

今回、ツアーマネージャーのみおさんには、発案から実現に至るまでの様々な動きを、イギリスではTaiko Meantimeのマークさんから無償で太鼓をお借りし、WS進行では赤嶺さんに、通訳プラスアルファのユーモアある補足で終始和やかな場を作り出して頂きました。遠い異国の地で、新たなチャレンジを行う際、国内以上にハードルも多くなりますが、多くの皆様のサポートにより実現できたことを感謝いたします。

Photo: Mio Teycheney-Takashiro

▲講師・船橋(奥)と赤嶺さん(前)。バーミンガムWSの様子。

◉赤嶺さんは、鼓童の海外ツアー制作といえば!「Mr. AKAMINE」という存在でした。メンバーのこと、鼓童のことを第一に考える確固たる信念を持ち、皆の頼れる存在でしたが、新人の頃の私には、最も畏れ多い存在でもあり、正直怖かったです…。現在は、英国を拠点に鼓童の海外の活動をサポートしていただいています。今回、二人で過ごす時間も多く、色々なことをお話しすることができたのもとても幸せな時間でした。

ツアーはこの後、まだ一月以上続きます。太鼓の音色がとても心地の良い、多くの皆様に体感して頂きたい作品となっております。是非、各地の劇場に足を運んでいただけたらと思います。

ツアー班の皆さん、引き続き頑張ってね!

 

「鼓童ワン・アース・ツアー 2018 〜Evolution」ヨーロッパツアー(Kodo One Earth Tour 2018 : Evolution)

「なんだか、すっごくおもしろかった」/山脇千栄

Photo: Takashi Okamoto太鼓を始めたのは、小学校2年生の時だった。
その年偶然にも、鼓童の交流公演が、香川県にやって来た。

覚えているのは、
屋台囃子や千里馬の演奏ではない。

「半纏をきた頭がつるピカの人がマイクでユーモア満載に喋っていた」ということ。

そしていちばんに「なんだか、すっごくおもしろかった」ということだ。

Photo: Takashi Okamoto

それから17年後。自分自身が鼓童の団員になり、交流公演ツアーにつくことになった。

鮮明に自分の中に残っていた
「なんだか、すっごくおもしろかった」
という記憶。

それを今度は自分自身が、届ける側になった。

Photo: Takashi Okamoto

が、なかなか難しい。
正解もない。

緊張していれば、
それは子ども達に説明しようのない波長で
伝わってしまう。

教科書のようなMCは、
もちろん子ども達からぽかーんとした表情が
返って来てしまう。

あの「なんだか、すっごくおもしろかった」の裏側に
何が隠されているのか。必死に考えた。

Photo: Takashi Okamoto

今日の公演は、
「なんだか、すっごくおもしろかった」のか?

毎日同じ道を通って、同じ制服を着て、
同じ友達に会って、
授業を受けて、昼休みがあって掃除をして…。

そこに、突然やって来た大きな太鼓たちと半纏姿のお兄さんお姉さん。

Photo: Takashi Okamoto

鼓童の交流公演は、
日常生活にとって、とてつもなく大きな”刺激”だと思う。

Photo: Takashi Okamoto

小学校2年の自分がそうだったように、
25歳の今の自分もそうあるべきなのである。

今日の演奏に向かう自分の心が楽しくて、本気で太鼓が面白くて。

だから、
「きょうはとてもおもしろかったし、たのしかったです。」
と言ってもらえる。感想文に、そう書いてもらえる。

Photo: Takashi Okamoto

エネルギーの相互作用。
エネルギーのプレゼント交換。

そのエネルギーは現場で作って間に合うものではない。
ツアーメンバーが稽古の初日から旅の途中も、
ずっと継続して作り上げていく緻密なものであった。

きっと、あの17年前に見た栄一さんは
本気で心が楽しくて、本気で太鼓が面白かったに違いない。

Photo: Karen Steains

8歳の私に特大のエネルギーをプレゼントしてくれた。

今度は、私が負けないくらいのエネルギーをみんなにプレゼントしたい。

何か1つでも受け取ってくれると嬉しいなと思う。

ツアーを終えて、また佐渡での稽古の日々。
千里馬の演奏前、バチを構えた時、
ふと交流公演の記憶が蘇って来て、
みんな元気にしてるかな、
なんて思い出したりしています。

学校での公演写真は2017年12月伊丹の中学校にて/撮影:岡本隆史

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学校のほか、劇場での交流公演もあります!
https://www.kodo.or.jp/performance/performance_kodo/8426

交流公演(一般向け劇場公演)スケジュール

大理石の教会/大塚勇渡

Photo: Hayato Otsuka

フレデリクス教会

中に入った途端に「無音」を感じました、そしてその厳かな雰囲気に心が浄化されていくのを感じました。

コペンハーゲンの街を歩く中で出会ったのは、「フレデリクス教会」。

Photo: Hayato Otsuka

フレデリクス教会

ドーム状の緑青屋根、それに大理石を使ったその白い姿が通称”マーブルチャーチ”とも呼ばれとても優雅で、うっとりしてしまう程の美しさでした。ヨーロッパは素晴らしい建築物が多いですが、人々の信仰のより所である教会は、特にこの様に歴史が深く美しいものが多くあります。このツアー中にも様々な場所で訪れており、その度に息を呑む様な感動があります。

Photo: Hayato Otsuka Photo: Hayato Otsuka

コペンハーゲン市庁舎

コペンハーゲンはデンマークの首都。政治だけでなく建築、芸術、音楽といった文化においてもデンマークの中心的存在で、その街並みも素晴らしいものでした。

Photo: Hayato Otsuka

街並み

Photo: Hayato Otsuka

ニューハウン

Photo: Hayato Otsuka

チボリ公園

Photo: Hayato Otsuka

クリスチャンズボー城

この様な場所で公演できるのはとても光栄な事です。今回も一期一会のお客様との出会いを楽しんで、頑張ります。

ツアー班みんな元気です。舞台スタッフ・加賀谷さんの誕生日でした!

Kodo One Earth Tour 2018 : Evolution
https://www.kodo.or.jp/performance/performance_kodo/4406

鼓童エジプト紀行/吉田航大

Photo: Akiko Umegki

現在、日本全土が平昌五輪での日本代表選手団の活躍に熱狂しています。そんな五輪の波が来る数日前、我々も2月6日に日本を発ち、日本の代表派遣団として日の丸を背負い、エジプトのアレクサンドリア、カイロにて公演・ワークショップを行ってまいりました。

Photo: Akiko Umegki

初めての土地、初めての人々。何もかもが初めて尽くしの数日間。
着いて早々身の危険を感じることが多々あり、これからの旅路に一抹の不安がよぎることも。

Photo: Akiko Umegki

個人の主張が強すぎる国民性の為か、道路は無法地帯。クラクションの嵐。そこを平気で横断する人々。

Photo: Akiko Umegki

通訳のモロさん曰く、「一度車に引かれれば上手に横断できるようになりますよ。」だそうだ。

出会う人々は楽しい人たちばかり。日本人からしたら「なんて能天気な人たちなんだ」と思うかもしれませんが、それが人間らしい生き方なのでは、と思うことも。

劇場に入ってからも、やはり思い通りには進みませんでした。言葉が通じないというハンディキャップに戸惑いながらも、なんとかジェスチャーで伝え、心を通わせ、最終的には楽しい現場になりました。


演奏中も終始落ち着きのない感じがしましたが、楽しんで下さっていたのは間違いありません。感情をストレートにぶつけ合える・・・そんな素敵な公演だったのではないかなと思います。

今回のエジプト公演で、鼓童だけではなく日本に凄く興味を持ってくださった方がたくさんいると聞きました。本望です。

現在エジプトでは日本式の教育システムを導入したり、建設分野でも日本の企業が関わったりと(今回演奏したカイロオペラハウスも日本の建設会社が携わっている)、日本との関係性が濃厚になってきています。

これからも、この2カ国間の友好関係がより発展していくことを願う他ありません。

メンバーを省いて写真左から、
在エジプト日本国大使館・金子耕司様国際交流基金カイロ日本文化センター・川北暁史様通訳兼ツアーガイド・モロさん

メンバー全員が「いつかまた訪れたい」と口にするほど、濃厚なツアーでした。

Photo: Akiko Umegki Photo: Akiko Umegki

そんな後ろ髪を引かれる思いで佐渡へ。。。寒い。

[梅垣晶子@エジプト]エジプトツアー班、無事にカイロ公演も終わりました。大盛況でした❗️ こちらの文化大臣にもご来場いただき、沢山のTVメディアからの取材も受けました✨ これから、サーウィ・カルチャーセンターで太鼓ワークショップを行います。#鼓童 #Kodo #エジプトhttp://www.kodo.or.jp/performance/performance_solo/7307

鼓童 Kodoさんの投稿 2018年2月12日(月)

[鼓童@エジプト]エジプトツアー班、昨日アレクサンドリアでの公演を終えました!次はカイロでの公演です。エジプトの全国紙の文化面にも載りました。エジプト公演についてhttp://www.kodo.or.jp/performance/performance_solo/7307

鼓童 Kodoさんの投稿 2018年2月9日(金)

Happy Valentine’s Day/蓑輪真弥

Photo: Maya Minowa

今日は2月14日バレンタインデー。ヨーロッパツアー班はデンマークのオーフスからコペンハーゲンへ移動でした。

Photo: Maya Minowa

こっそりコツコツと準備中

いつも頼もしくて優しい鼓童の男性メンバー、そしてスタッフの方々へ日頃の感謝の想いを込めて、女性陣からささやかなプレゼントを渡しました。

Photo: Maya Minowa

男性陣の笑顔が見られて嬉しかったです。

Photo: Maya Minowa
まだまだツアー始まったばかり、、、北欧の風は冷たいですがツアーメンバーみんなで力を合わせて素敵な音を届けてきます!!

「鼓童ワン・アース・ツアー 2018 〜Evolution」ヨーロッパツアー(Kodo One Earth Tour 2018 : Evolution)