たいこわらべ50年/船橋裕一郎

いかがお過ごしでしょうか。

すでに皆さまにはお知らせしておりますが、本年の鼓童公演の締めくくりは、鼓童名誉団員である藤本吉利の太鼓歴五十周年記念公演『たいこわらべ50年』となります。

Photo: Erika Ueda

先日の稽古では、いつもながらに全身全霊で後輩にその姿を見せてくれました。

『面にあらわれ、背にあふる』

Photo: Erika Ueda

50年の積み重ねが、この言葉を体現していると改めて感じます。

藤本吉利、そして鼓童が長年にわたりご指導をいただいている岩崎鬼剣舞保存会、また藤本の太鼓歴の原点である故里の和知太鼓保存会、両団体の皆さまとの共演はじめ、鼓童も総力をあげての舞台となります。

私自身も今から楽しみです。

Photo: Erika Ueda

文京シビックホールでは、最新作の『巡 -MEGURU-』公演を前日まで行っております。

是非併せてご覧いただき、鼓童の奥行きと幅を感じていただけたら幸いです。

<年頭挨拶文より>
芸能において、孤高の開拓者という存在は、何ものにもかえがたいものです。一方で、後進を見守り、育てることもまた大切なことであり、私達は多くの芸能からそして先輩から、その素晴らしさを学びました。我々が毎年、多彩な活動ができることへの感謝のしるしとして、そして五十年という歳月をグループ一同、そしてお客様とともに寿ぐ舞台をお届けいたします。

Photo: Erika Ueda

 

2018年12月24日(月・振休)
たいこわらべ50年 〜藤本吉利太鼓歴50周年記念公演
(東京都文京区)
https://www.kodo.or.jp/performance/performance_kodo/8534

10月のモスクワ。黄金の秋/小松崎正吾

これまでモスクワには何度か訪れていますが、毎回寒さの厳しい3月下旬。毎日曇り空で寒すぎて、出歩くのも一苦労。重く冷たくどんよりとした印象でした。

しかし10月のモスクワは3月とは打って変わって、気持ちの良い秋晴れと秋風で我々を迎えてくれました。
Photo: Shogo Komatsuzaki

今回は日本大使館、クレムリン大宮殿内のホールでの演奏、

そしてモスクワ音楽院の生徒さんやモスクワの太鼓チームの皆さんに向けた約2時間ワークショップと懇親会を行ってきました。

関係者の皆さんの素晴らしいサポート、3月には感じる事の出来なかったモスクワの美しい街並み、ワークショップに参加してくれた皆さんの笑顔と真剣な眼差しから、音楽や芸術に対する熱い想いを感じました。

何から何まで大変充実した一週間となり、また来たい、また皆に会いたいと、帰る頃にはモスクワがとても好きになっておりました。

お世話になった皆様本当にありがとうございました。

この御縁が末永く続きますように。

柿作業始まりました/赤澤京

あの夏の暑さはどこへ行ってしまったのだろうか、と思うほど涼しく過ごしやすい季節となりました。

Photo: Misato Akazawa

先日、研修生と柿の収穫作業を行いました。
柿畑を管理されている、羽茂はもち弘仁寺こうにんじ日下くさか敞敬しょうけい様より、柿の摘蕾てきらいや草刈り、収穫方法について教えて頂いています。

Photo: Misato Akazawa

柿畑に行くと、

「小さかった柿が、こんなに大きく育ってる! 」
「綺麗なオレンジ色、美味しそう!」
「頑張って収穫しないと」

研修生から様々な声が上がりました。

Photo: Misato Akazawa

日下さんに教わりながら柿に傷を付けないように慎重に収穫を進め、収穫したのちに、アルコールをかけて丁寧に箱詰めをします。

Photo: Misato Akazawa
「早く届くといいな」と研修生全員の願いが込められた、太陽の光をたっぷり浴びた柿。

Photo: Misato Akazawa

皆様のお手元にも早く届きますように…
美味しい秋の恵みをご堪能ください!

鼓童の会やお世話になっている皆様へお届けしております)

鼓童の会について

鼓童の会は鼓童と皆さんとをつなぐ会で、鼓童の活動に興味のある方ならどなたでも参加できます。

「鼓童の会」入会、継続のご案内

鼓童の会

鼓童文化財団研修所

新企画「Roots of Kodo」/内田依利

メンバーが歌舞伎座で幽玄や、各地で小編成に忙しくしていた9月、私は佐渡で行った新しい試みに奔走しておりました。

「Roots of Kodo」と名付けたこのプログラムは、9月10日〜18日の9日間佐渡で行った、海外の方向けの合宿型ワークショップです。

Photo: Yui Kawamoto

2017年に自分で企画したヨーロッパWSツアーで出会った、大勢のエネルギーに溢れた勉強熱心な海外の太鼓打ちたち。もっともっと真剣に学びたい!できることなら研修所で勉強したい!という声を各国で聞き、その声に応えたいという思いがこの企画を生みました。

Photo: Yui Kawamoto

鼓童が太鼓で新しい表現を探し続けているようにまた、海外の太鼓を叩いている方々も、太鼓で何ができるのかを探し続けています。

私は、鼓童が表現していることを教えるのではなく、自分たちが根っこで大切にしていることをシェアすることが、それぞれのホンモノを探求していける一番の方法ではないかと考えました。

Photo: Yui KawamotoPhoto: Yui KawamotoPhoto: Yui Kawamoto

私にできることは環境を整え、最良の学びの場を作ること。

その最良の場づくりの方法はすでに研修所で磨かれてきています。

 

Photo: Yui Kawamoto

自分たちで食事を作り、掃除をし、スケジュールを組み立てて生活をし、稽古時間を工夫し、稽古方法を探り、話し合い、、、

Photo: Yui Kawamoto太鼓のみでなく、踊りや茶道、祭りや農作業など。自分が鼓童の根っこになっていると思うプログラムを立てたら、太鼓以外のものが沢山入り、本当に伝わるのか不安でもありました。

Photo: Yui Kawamoto

参加者一人一人の能動的な学びの姿勢と、それを活かそうとする意欲なしにしては成り立たないプログラムです。

Photo: Yui Kawamoto

Photo: Yui Kawamoto

太鼓をたたくだけなのに、これは全て必要なんだろうか?とも問い続けましたが、「日本ではこうする」とか、「これはこういうもの」ということに片付けてしまわないように心がけました。そうすると国や文化などは関係なく、大切にしたいことはシンプルで、毎日発見がありました。一つ一つのことから自分自身が1番学ばせてもらっていたように思います。

Photo: Yui Kawamoto

終えてみて、このプログラムの目的は「答え」を得ることではないのだと思いました。

Photo: Yui Kawamoto

ここで得たものは「種」。その種が、この佐渡という土地で、このような人の中で、歴史の中で育つと、今の鼓童という花が咲いています。

Photo: Yui Kawamoto

渡した種をどう育てるかはそれぞれ次第。どんな土なのか、日光を当てるのか、水をあげるのか、どのような育て方がベストなのかは、場所によって変わってくるのだと思います。これからみなさんがそれぞれの国でどんな花を咲かせてくれるのか。

Photo: Yui Kawamoto

種が育ち花をつけ、また種をつけ少しずつ広がり、いつかこの思いが ONE EARTH となりますように。

Photo: Yui Kawamoto

スタッフの皆さん、参加者の皆さん、本当にありがとうございました。これからが楽しみです。

Photo: Yui Kawamoto

鼓童オンラインストアより送料無料キャンペーンのお知らせ

日頃のご愛顧に感謝いたしまして、9/1(土)10:00から10/1(月)9:59までの期間中、ご購入金額に関わらず送料無料キャンペーンを実施しております。(太鼓等の受注生産楽器、また代引き手数料は除く)

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こちらもあわせてご覧ください!

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KASAMIX2018/神谷唯

先日、2年に一度行われるKASAMIXという海外の方向け合宿プログラムが佐渡で開催されました。

Photo: Yui Kamiya
20年ほど続いているこのプログラムは鼓童の研修所で研修生と共に文化交流をしながら合宿を行う他、佐渡の魅力やモノづくりを体験して頂く内容となっております。

今年は過去最多の7か国から、22名の参加者が世界中から集まりました!

Photo: Yui Kamiya
アメリカ、カナダ、オーストラリア、ドイツ、イギリス、イタリア、シンガポールと世界各地、様々な形で和太鼓をやっている元気いっぱいの方々でした。

Photo: Yui Kamiya

はじめは金沢で集合。一緒に観光をする他、白山市の浅野太鼓さんにもお邪魔させて頂き、工房の見学やワークショップを行いました。

その後佐渡へ移動して、鼓童の研修所へ向かいました。
研修生は皆さんが到着する前からドキドキ。

「英語が話せない」

「どうコミュニケーションを取ったらいいか分からない」

そんな悩みを抱えながらもお迎えしたKASAMIXの皆さんは笑顔とエネルギーに満ち溢れ、一瞬にして暖かい空気感に包まれました。

Photo: Yui Kamiya

研修所で共に過ごすのは3泊4日。

参加者が受けるワークショップは鼓童の舞台メンバーが講師を勤めました。

Photo: Yui Kamiya
藤本容子のヴォイスサークルで世界中から来る参加者の声と気持ちを一つにし、

Photo: Yui KamiyaPhoto: Yui Kamiya
見留知弘の大太鼓のバチ作りと太鼓の基礎を学び、

モノづくりや太鼓を打つことを再度見直す時間が出来ました。


阿部好江とは担ぎ桶を使った演奏だけでなく、

しなやかに動く事を学び、

Photo: Yui Kamiya Photo: Yui Kamiya
最後は藤本吉利と一緒に大太鼓を沢山叩きました。

Photo: Yui Kamiya

期間中は研修生と一緒に早朝からランニングをし、

Photo: Yui Kamiya

佐渡の自然や空気を沢山感じて頂き、

Photo: Yui Kamiya
ゲームで遊んだり、一緒に食卓を囲み、毎食楽しく一緒にご飯を食べたりしました。

Photo: Yui Kamiya Photo: Yui Kamiya
研修生も毎日辛い掃除の時間も皆でやれば楽しい時間に変わりました。

Photo: Yui Kamiya

夜になれば各国から来られた参加者から世界中の和太鼓の話をして頂き、

Photo: Yui Kamiya
一対一になって絞り出す英語やボディーランゲージを使いながら頑張って沢山お互いの事や太鼓について語り合いました。

Photo: Yui Kamiya
太鼓を通して、気持ちを通して、言葉の垣根を超えた交流は研修生にとってどれほど刺激的な日々だった事でしょうか。

Photo: Yui Kamiya
Photo: Yui Kamiya

「和太鼓」は日本の楽器ですが、今では世界各国で「Taiko」を楽しまれている方が大勢いらっしゃいます。


そんな「Taiko」を通した国際交流が出来るKASAMIXは2年に一度。
本当に貴重な体験だったと思います。

Photo: Yui Kamiya

Photo: Yui Kamiya

もちろん、今鼓童の舞台に上がっているほとんどのメンバーも同じように研修期間中に一度だけこのKASAMIXを経験しています。

今の研修生もいつか舞台メンバーになって世界中を旅し、広い世界でこれからも太鼓の輪を広げていって欲しいですね。

今回参加して下さいました皆様、
とっても楽しかったです。

ありがとうございました!

またどこかで会いましょう!

Photo: Yui Kamiya

See you again soon!

Photo: Yui Kamiya

KASAMIXスタッフ・神谷唯

鼓童文化財団研修所
https://www.kodo.or.jp/apr

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